ルール

キックボクシングのルール

ボクシング(両拳にグローブをはめて闘う競技)に、キックを加えて闘う為、キック+ボクシングで「キックボクシング」非常にわかりやすい名称です。

「キックボクシング」と聞いて、パンチとキックのみで闘う競技だと思う方もいると思いますが、キックボクシングでは膝、肘も有効な攻撃と認められていて、その為の首相撲(組み合い)も認められています。
しかし攻撃を伴わない組み合いは反則となります。

パンチ、キック、膝、肘は、どこへ打っても良いのかと言うとそうではなく、下腹部(金的)への攻撃は禁止です。

その他、団体や興業により、首相撲、肘打ち、崩しが禁止されている場合があります。
打倒ムエタイを目指す選手は首相撲&肘有りを選択。
K-1を目指す選手ならば組なし肘なしルールを選択できます。

キックボクシングの試合形式は1ラウンドを3分間とし、ラウンド間に1分間のインターバルをおきます。
通常は3ラウンド、または5ラウンドで行われることが多いです。

一対一の選手同士の闘いに対してレフリー(リング上にいる主審)が試合を裁き、ジャッジ(リング外にいる副審)がその判定をサポートします。
これは、レフリー1人では見えない角度で攻撃が展開されたり、複数の審判が判断することで、できる限り公平で、公正な判断をするための努力です。

キックボクシングの醍醐味として、試合中に相手選手をKO(knockOut)し、相手選手が10カウント以内に立ち上がりファイティングポーズを取れなくなるほど叩きのめすことを、KO勝利(Knock Out勝利)と呼びます。
(1ラウンド中に3回ダウンした場合=「スリー・ノックダウン方式」もKOとなります)

なお、攻撃を受けた選手があきらかに不利な状態や、10カウント以内に立ち上がりファイティングポーズを取っていても、怪我や攻撃によるダメージが著しく試合続行不可能とレフリーもしくは医師が判断した場合、TKO=Technical Knock Outとして、攻撃を加えた選手のTKO勝利となります。
これは、プロ魂で何とか試合を続行しようとする選手の生命や身体が重大な危険にさらされないようにするためで、レフリーや医師が適切な判断を下すことが求められます。

KOやTKOで試合が終わらなかった場合は、3名のジャッジ(リング外にいる副審)が各ラウンドを10点満点で採点、試合終了後にその点数を合計し、点数の多い方を勝ちとする判定決着による勝敗決定することになります。
採点方法は、両選手が10点満点の持ち点でスタートし、ノックダウン1回で2点減点、ノックダウン2回で3点減点として減点を行っていきます。

ノックダウンがない場合は、相手によりダメージを与える攻撃を積極的に行ったと審判が判断した選手に10点が、もう一方の選手に9点が与えられますが、この判断が審判の主観によるため、観客の感覚と一致しない場合や、選手本人の実際のダメージと一致しない場合もあるのが、難しいところ。

キックボクシングの判定ルールは団体によっても異なりますが、僅差をドロー(引き分け)とする傾向が多く存在し、どのラウンドにポイントが動いたのかが曖昧なこともあります。

アメリカでは「マストシステム」(各ラウンドを判定10-9と振り分ける)を採用することで、選手に各ラウンドの真剣勝負を促し、判定結果を明確にしようと試みています。
また公平更正を保つため、団体とは別のコミッションにレフリー、ジャッジを委託し中立な立場を守ろうとしています。

各ラウンドをどちらかに優劣をつける、というのはジャッジに推奨されている「世界的傾向」でです。

キックボクシングのメジャー化が叫ばれる昨今、こうした徹底も必要かも知れませんね。

キックボクシングの階級

キックボクシング階級スポーツで、体重別に階級を設けて試合を行います。

各階級の体重は基本的にキックボクシングもボクシングと同じ。階級名を日本語に訳すと、下記のような意味になります。

なお、各階級の一段階上に用いられるスーパー(super)は、「超える」と言う意味。

階級名 体重 日本語の意味
アトム
atom
46.266kg以下 102lb以下 (名)原子(化学的に有意義な最小単位)
ミニマム
minimum
47.627kg以下 105lb以下 (名)最小値、(形)最小の
ライトフライ
light fly
48.988kg以下 108lb以下
フライ
fly
50.802kg以下 112lb以下 ご存じのとおりハエ、動詞では「飛ぶ」
スーパーフライ
super fly
52.163kg以下 115lb以下
バンタム
bantam
53.524kg以下 118lb以下 (名)チャボ、(形)小柄な
スーパーバンタム
super bantam
55.338kg以下 122lb以下
フェザー
feather
57.153kg以下 126lb以下
スーパーフェザー
super feather
58.967kg以下 130lb以下
ライト
light
61.235kg以下 135lb以下  
スーパーライト
super light
63.503kg以下 140lb以下 軽い
ウェルター
welter
66.678kg以下 147lb以下 うねり
スーパーウェルター
super welter
69.853kg以下 154lb以下
ミドル
middle
72.575kg以下 160lb以下 真ん中、中間
スーパーミドル
super middle
76.204kg以下 168lb以下
ライトヘビー
light heavy
79.379kg以下 175lb以下  
クルーザー
cruiser
90.719kg以下 200lb以下 巡洋艦、クルーザー
ヘビー
heavy
90.719kg超 200lb超 重い

日本発祥のK-1では-55Kg級、-57.5Kg級、-60Kg級、-62.5Kg級、-65Kg級、-67.5Kg級、-70Kg級、ヘビー級があり、-55Kg級から-70Kg級まで2.5Kg刻みの7階級+ヘビー級の全8階級を展開している。

セコンドって何してる?

選手と一緒に入場してきて、インターバル(試合中のラウンドとラウンドの間)で、選手に水を飲ませたり話しかけているが、いったい何をしているのかと言うと、試合の状況分析を素早く行い、リング外から選手にアドバイスを送ったり、インターバルに次のラウンドに向けてのアドバイスをするとともに、切れた箇所を止血したり、腫れた箇所をアイシングで冷し腫れを引かせているのです。
また試合中の選手の精神的なサポートも担っているのは、言うまでもありません。

試合中に大人数で選手の名前を連呼する応援が始まったりすると、セコンドから選手へのアドバイスが聞こえず、重要なアドバイスを送りたいときは非常に困ったりするものです。
しかし、会場が一体となる応援は非常に嬉しいので、痛し痒しですね。

セコンドは、大抵の場合、選手を育てているコーチですが、小さいジムやコーチが1人しかいない場合などは、一緒に練習している他の選手や、時にはカノジョ(同じジムで練習をしていると思われる)がセコンドとしてコーチと一緒にリングサイドにいることもあります。

セコンドは、インターバル中のみリングに入ることができ、「セコンドアウト」のコールがかかったら、即座にリングからでなければなりません。

そしてもう1つの重要な役割は、選手が試合を続行すると今後の選手生命に大きなダメージがあると判断した場合、タオルを投げ込んで試合をストップさせることでです。
(現在ボクシングではタオルは投げ込まず、セコンドがタオルを振るというルールがありますが、レフリーはセコンドを見ないため気付いて貰えないこともあり、危険)
この判断が遅いと選手生命どころか、選手本人の生命自体も危うくなる為、しっかりとした見極めが必要です。

K-1のルール

現在のK-1ルールは、パンチ、キック、膝による攻撃を有効打とし、首相撲(組み合い)を全面的に禁止している為、ノンストップな激しい試合が多く生まれます。

※過去のK-1ルールでは首相撲からの膝攻撃は認められていました。

現在のK-1は複雑で、日本発祥のK-1ではあるが、現在は売却され権利を持つのは「中国 K-1グローバル」。
そのため海外でも「K-1 WORLD GP」が存在します。
日本での開催が認可されている「K-1 WORLD GP JAPAN」とは組織が異なるのです。
海外では日本の現在のルールと違い、かつてのK-1同様、相手をつかんでからの攻撃が1回のみ認められています。

K-1の試合形式は1ラウンドを3分間とし、ラウンド間に1分間のインターバルをおき、基本的には3ラウンド制で行われます。
※過去のK-1ルールではワンマッチでは5ラウンド。
トーナメントでは3ラウンドとされていた時代もあります。

キックボクシング同様、一対一で闘い、レフリー(リング上にいる主審)が試合を裁きます。

K-1の醍醐味として、攻撃を受けた選手が10カウント以内に立ち上がることができないノックアウト(KO)や、ファイティングポーズを取っていても、攻撃によるダメージが著しく試合続行不可能とレフリーや医師が判断するテクニカルノックアウト(TKO)があります。
K-1のKはKOのKとも言われたこともありました。

KOやTKOで試合が終わらなかった場合、3名のジャッジ(リング外にいる副審)が各ラウンドを10点満点で採点、試合終了後にその点数を合計し、点数の多い方を勝ちとする判定決着による勝敗決定があります。

採点方法は、両選手が10点満点の持ち点でスタートし、ノックダウン(KO)1回で2点減点、ノックダウン(KO)2回で3点減点として減点を行っていきます。

ノックダウンがない場合は、相手によりダメージを与える攻撃を積極的に行ったと審判が判断した選手に10点が、もう一方の選手に9点が与えられますが、この判断が審判の主観によるため、観客の感覚と一致しない場合や、選手本人の実際のダメージと一致しない場合もあります。

K-1の判定ルールは僅差はドローとする傾向が強く、試合が僅差になった場合、どのラウンドにポイントが動いたのかが曖昧なことがあります。

また、レフリー、ジャッジが系列組織の為、主催する団体の都合のよい判定結果となることも。
魔裟斗vs佐藤嘉洋戦では、試合中にルールが変更され物議を醸したのをご存知の方もいるでしょう。
運営上の理由で他コミッションとの連携は難しいとは言え、ファンや一般層に公平更正ではない判定を見せ、K-1そのものを白けさせてしまう結果を招いてしまいました。

先にも書いたとおり、アメリカでは「マストシステム」(各ラウンドを必ず判定10-9と振り分ける)を採用することで、選手に各ラウンドの真剣勝負を促し、判定結果を明確にしようと試みています。
また公平更正を保つため、団体とは別のコミッションにレフリー、ジャッジを委託し中立な立場を守ろうとしています。

各ラウンドをどちらかに優劣をつける、というのはジャッジに推奨されている「世界的傾向」です。

一時代を築いたK-1が再び世界のキックボクシングの中心に返り咲くには、運営とは別の第三者機関がルールの管轄及び、統一ルールを作ることが急務であり、K-1が再びメジャーになる為の必須条件かも知れません。

ムエタイのルール

試合開始前にワイクルーと呼ばれる闘いの舞を踊ります。
ワイクルーは自分の師と両親に感謝を捧げ、神に勝利を願う意味があり、さらには闘争心をも高める効果があるとされています。

ムエタイは立ち技最強と名高い格闘技ではあるが、キックボクシングやK-1のような打ち合いはあまり期待できません。

ムエタイの試合は5ラウンドありますが、1ラウンドは様子見に終始します。
これはムエタイが賭けとなっており客がその様子を見て選手の調子を判断しどちらに賭けるか決めるという、競馬でいうパドック的な意味合いがあるためです。

ムエタイではパンチ、キック、膝、肘での攻撃が有効打と認められており、その為の首相撲(組み合い)が認められています。
試合は延々と首相撲の攻防が繰り返される試合がほとんどで、派手な殴り合いを期待をしてタイに観戦しにいくと、首相撲が頻繁に行われる馴れ合いの試合に見えることがあります。
しかし首相撲の攻防は高度な技術、駆け引きが行われており、レベルが高くなればなるほど、まずまともに攻撃がヒットすることはないのです。

試合でKOはほとんどなく、判定にもつれこむことが大半です。(KOが頻発すると八百長が疑われる程)
判定決着がほとんどであるにもかかわらず、会場が熱気で溢れているのは、興行が賭けによって成り立ち、またクリンチと見間違えてしまう首相撲が、実は高い技術のぶつかり合いだからなのです。

日本のエキサイティングなキックボクシングが賭けとして成立すれば、キックボクシングは競輪や競艇と並ぶ、富と名声を得ることができる競技となるでしょう。
また同時に国が管轄するため、公平更正な判定結果を促すことにもなるでしょう。

ムエタイの試合形式は1ラウンドを3分間とし、ラウンド間に2分間のインターバルをおき、通常5ラウンドで行われます。

ムエタイの特色として、前述の通り首相撲の存在があり、首相撲の状態から肘打ちや膝蹴りが、他の打撃格闘技に比べ圧倒的に優れています。

ジャッジの採点でキックボクシングと大きく異なるのは膝蹴りや蹴りの評価が高いことでです。
逆にパンチや肘打ちはほとんど評価されません。

パンチを貰いダウンしたとしても瞬時に立ち上がればダウンはなかったものとされることも。
もっとも評価が高いのは首相撲からの膝蹴り。相手のミドルキックを自分のすねを上げ防御し、その足でそのまま相手にミドルキックを反す攻撃や、ハイキックなど見た目も美しく相手に当てることが困難な攻撃は評価が高くなります。

同様の理由で相手の脚を狙うローキックは容易な攻撃であるとみなされているので評価が低くなります。

キックは相手の腕に防御されても評価の対象となります。
これはキックを腕で受けた場合はガードしたとみなされず、「腕を蹴られた」とみなされるからです。

そのため、ハイキックをスウェーバックで避けるタイ人選手が多いのです。
また実際にパンチが得意な選手を封じるために腕を狙って蹴るということは戦術として行われており、稀に腕の骨を蹴り折られて勝敗が決することもあります。

ムエタイで高く評価される攻撃方法に「首相撲」があります。
これは相手の首を両手で捕まえたり、腕をコントロールし腹や顔面に膝蹴りや肘打ちを叩き込んだり、崩して投げ捨ててしまうような攻撃で「相手を完全にコントロールしている」「相手に何もさせないでいる」という意味から高く評価されるのです。

ただしムエタイでも投げる行為、具体的には柔道の様な腰にのせての投げ、内掛けや外掛けにあたる動作は禁止されています。
そのため腕力+体重移動+タイミングで崩しを繰り出すことになる為、非常に高度な技が必要となります。
そのため、目の肥えた観客は首相撲での攻防を見ることを好み、タイのスタジアムでは膝蹴りからの崩しは試合中に最も盛り上がる瞬間となるのです。

また表情も採点の対象とされており、技を受けた際にあえて笑う選手もいます、これは効いた表情をすると減点評価される為なのです。
ムエタイではレベルが高くなるに連れ技術力での勝負となる為、興奮状態にある選手は少なく、それによりアドレナリンの分泌が少ない為、攻撃を受けた際に痛みで倒れる選手も多々見られ八百長を疑われてしまうこともあります。

格闘技において超一流と言われる選手は脱力状態と興奮状態の利を巧みに使うことができ、その相乗効果は計り知れないものがあります。
しかし副交感神経と交感神経という相反するホルモン分泌が行われる為、非常に困難ではもあります。
それをなし得た選手だけが、スーパーチャンピオンと言われるのです。